榮米だより VOL.238 15.4.26
2015年5月10日
~田植え前、苗の栽培をしています~
また新しい年度がやってきて、米作りも本格的に始まりました。田んぼではトラクターで耕している人や草刈りをしにきた人などを見かけるようになり、稲作のシーズンがはじまったんだなと実感しています。天気は雨の日も多いですが、晴れ間には苗たちも日光を一斉にあびて葉の緑を濃く、大きくしてきています。3月末から種まきを始めていますが、最初の苗は草丈10cmくらいに育っていて、田植えが待ち遠しくなってきました。
4月の末あたりから6月中ごろまで田植えを続けますが、苗も田植えをするのによい時期が限られていますので、植えるタイミングから逆算して1週間ごとに種まきを行い、植えるのに合わせて育つように苗の栽培をしています。
ゴールデンウィークには近隣の農家もいっせいに田植えを始めるので、この苗の販売もしている榮農場はとても忙しくなりますが、榮農場の苗でおいしいお米ができたと言ってもらえるよう、がんばりたいと思います。
~農薬不使用のお米のための新兵器開発中です~
農作物を栽培しているうえで、理想は農薬を使わず栽培したいというものがありますが、実際に行うのはやはり大変な苦労があります。作物によって病気であったり、害虫が問題だったりといろいろあるのですが、お米の無農薬栽培で一番苦労するのが雑草の問題です。
稲用の除草剤は稲を生かしたまま他の雑草の発芽をおさえるようにできていて、このおかげで稲が雑草の邪魔をされずに育つことができます。しかし、無農薬だともちろん使えませんので、田植えをするとすぐに雑草の発芽が始まり、稲より大きく育ち日光を遮って稲の光合成ができなくなったり、土の中の養分を雑草に奪い取られたりして稲が育てずひどいと枯れてしまったりします。そのため雑草の対策が不可欠なのですが、雑草のしぶとさは並大抵ではないのでそう簡単にはいきません。
無農薬での上手な栽培方法は日本中で研究されているといってもいいほどですが、こうすれば完璧!といったような決定打はないのが現状です。榮農場では、田植えのあとに米ぬかのペレットをまいて発酵させることで雑草の発芽が抑えられるのを利用して、その後ある程度稲が育ってからは人力でなんとか雑草を取るという方法で栽培しています。しかし広い田んぼで雑草を取るのはとても重労働なうえ、雑草は何度でも生えてきます。終わりのない雑草との戦いですが、毎年なんとか作っています。
そこで、今年は少しでも状況を良くするため知り合いの農家さんが運用しているチェーン除草機というのをならって作ってみました。チェーンを暖簾のように多数ぶら下げ、田んぼの中を走る事で発芽したばかりの雑草をこすり取るという狙いの機械です。実際に使用されているものなので大きな失敗はないかと思いますが、効果はどれほどあるのか今から楽しみです。稲を植えた後、根がしっかりと張ってからでないと稲も取れてしまうので、使用するのは1か月ちょっと先になります。これらも利用しつつ、より良いお米を収穫できるようにしていきたいと思います。