榮米だより VOL.237 15.3.29
2015年4月21日
3月の中旬からグッと気温が上がって暖かい陽気に包まれる日が出てきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
春の日差しを浴びて麦がだんだん背を伸ばしてきました。雪や冷たい雨の多い今年の冬でしたが、寒さに負けずに青々としてくれています。暖かくなってきましたので、これからまたぐっと背を伸ばして穂を出してくれると思います。
収穫は6月末になりますので、それまでしっかりと見ていきたいと思います。
他にも、初冬に玉ねぎを植えて育てているのですが、少し成長が遅く心配しています。植え付けが遅かった事や雨天の日が多かった事など原因はいくつか考えられるのですが、簡単にうまくいくものではないなと実感しています。今後日光が多く降り注いでくれると成長が促進されると思いますので、あきらめずにがんばりたいと思います。葉が枯れて倒れてきた頃が収穫時期とのことで、梅雨あたりになる予定です。
~田植えシーズン到来。今年の榮米作りが本格的に始まりました~
さて、稲作のシーズンが始まり、田植えの準備で忙しくなってまいりました。まずは、良い種もみのみで種まきをするために、種もみの消毒と塩水選という作業を始めました。お米は一年に一度しかとれませんので、一つ一つの作業はどれも大事なのですが、これらの作業はこれから半年間、稲の生育のいちばん始めの部分ですので最善を尽くしてやっておきたい仕事です。
塩水選とは、塩水の比重の差を利用して、重く良い種は底に沈み、しっかりと成っていない軽い種は水に浮くので良否が判定できるというものです。種まきを行う前に充実した種もみで発芽率や育ち方が良い種を選別しておきます。名前の通り塩水を使うのが一般的ですが、榮農場では尿素を使っており、これだと使用後は肥料として使えますので、廃棄しなくて済みます。
また、種もみを通して伝染するいもち病やばか苗病などの病気があります。病原菌を殺菌することで発病を抑えることができるので、これも種まきをするまえに消毒をしていきます。
これは薬品を使って殺菌するところが多いのですが、榮農場では60度に熱したお湯に10分間浸けておくことにより殺菌しています。農薬を使わなくてすむのでとても良い方法なのですが、前述のとおりお米は一年に一度しかとれませんので、実際にうまくいくかわからない新しい方法を取り入れるのはとても勇気がいります。
榮農場でも最初の導入時には恐る恐るで始めたのですが、今ではすべての種をお湯で消毒する方法に切り替えています。最初の一歩は苦労もありますが、さらに安全でおいしい榮米を作れるよう、チャレンジを続けたいと思います。