榮米だより VOL.229 14.7.27
2014年8月1日
毎日暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。暑いのは大変ですが、今年は夏にエルニーニョ現象が起こる可能性が高く冷夏になると予測されていましたので、冷夏によってお米の不作が起こるよりも、夏は夏らしく暑い日になっていてくれる方がありがたいかなと思いながら農作業に励んでおります。今のところ秋にエルニーニョが起こる予想ですが、稲刈りに影響がないと助かります。
稲の方は日に日に背を伸ばして大きく育ってきました。これから穂を出そうかというタイミングで、お米をつくるための栄養分を追加してやるために肥料をまいていく作業をしています。
この肥料を穂肥(ほごえ)というのですが、多くやりすぎてしまうと収穫量は増えますが味が落ち、少ないと収穫量がとれません。さらに少なすぎるとお米を実らせるための栄養分が不足してしまうので味も落ちます。肥料を与えるタイミングも重要で、稲がこれから穂を実らせるぞ!と思っている所に肥料を与えてやりたいので、稲の状態を見ておくことも大事です。さらに炎天下での作業になるので大変ですが、おいしいお米をつくるためにがんばっています。
この肥料は鶏ふんと油かすの有機肥料をまいています。一般的には化学肥料をまくのですが、榮米は有機肥料にこだわり続けています。有機肥料ということは自然にあるものを肥料として利用しているということなので、化学肥料のように成分が凝縮されておらず、まく量が多くなります。その分手間もかかり、重労働になりますが有機肥料の場合じんわりと効いていくため肥料過多になりにくく、田んぼに残った肥料分は微生物が分解して土を豊かにしてくれます。土が豊かになると、また来年の稲の栄養になってくれるというサイクルの、自然の循環を手助けしてやるというお米作りが榮米の基本になっています。
また、有機肥料の特徴として土の栄養分が非常に長く続いてくれます。稲の葉の色を見ると稲の状態がわかり、緑色が濃いと養分がしっかり吸収できている状態で、養分が足りなくなってくるとだんだん色が抜けて黄緑色になってきます。一般的な化学肥料だとこの時期にはもう肥料分が切れて色抜けしてきていますが、同じように育てていても有機肥料をふんだんに使い土の地力をそだてるようにしている榮農場の田んぼではなかなか色抜けが起こりません。良い土が良い稲を育てるという榮米のお米作りがあらわれる部分です。
田植えが早かった所は穂が出始めてきました。さっそく一部をスズメに食べられたりしていますが、稲の花も咲いて順調に育っています。
あと1カ月ほどで田んぼが黄金色に染まり稲刈りの時期がやってきます。収穫まであと少し稲とともに暑さに負けずがんばりたいと思います。