榮米だより VOL.332.23.2.26
2023年3月21日
梅の花が咲き始め、春の空気を感じたと思ったらまた寒さが戻ってきたりと、まさに三寒四温といった気候になっておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、先々月の榮米だよりでも紹介させていただきました、近江米の新品種の名前の投票結果が発表され、【きらみずき】に決定いたしました!
県内に在住の小学2年生が「キラキラしてみずみずしい琵琶湖を連想してつけた」とのことで、琵琶湖を預かる滋賀県にふさわしい名前に決まったのではないかと思います。
品種の内容ですが、母親に「にこまる」、父親に以前作られた「滋賀69号」を交配させてできた品種です。やはり大事なのは味がどうか?という所だと思いますが、にこまるの方はすでに榮農場でも栽培していて粒が大きくおいしい品種だなと感じており、それを引き継いでさらに滋賀の気候に合った品種になると思いますので、期待がふくらみます。
もう一つ滋賀県の環境と農業に関わるお話です。
滋賀県の琵琶湖周辺の水田は、固有種であるニゴロブナなどの湖魚に絶好の繁殖環境を提供してきました。こうした水田やヨシ帯などに向かってくる湖魚の生態を巧みに利用してきた「エリ漁」は、資源にやさしい伝統的な「待ちの漁法」の代表格です。また、河川に遡上する湖魚の産卵環境の保全に寄与する多様な主体による森林保全の営みや琵琶湖の環境に配慮した農業など、森、川、水田、湖のつながりは、世界的に貴重なもので、このような琵琶湖と共生する農林水産業(琵琶湖システム)は、千年以上に渡って受け継がれてきたもので、2022年7月にFAO(国連食糧農業機関)による「世界農業遺産」に認定されました。
榮農場はこの琵琶湖システムのうち、農薬と化学肥料の使用量を抑え、琵琶湖へ流れ込む農業排水を環境負荷の少ないものにする「環境こだわり農産物」の栽培に取り組んでいます。人間が生きていくためだけでなく、それが永続的に持続可能な農業を目指している滋賀県の取り組みに誇りを持ちながら、今後も農作業に勤しんでまいります。