榮米だより VOL.296.20.2.23
2020年3月4日
あぜ道沿いにはつくしが生え始め、春の気配を感じるようになりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
春が近づいてきたということもあり、田植えに向けての準備作業を始めております。左の写真は先月届いた種まき機の設置作業をしていたところで、他にも種まきに使う苗箱の準備、トラクターや田植え機の整備、田んぼでは水はけの悪い部分・良すぎる部分を改良したり土作りのために耕したりと、稲を栽培していない時期ですがなにかと忙しくしております。
トラクターで田んぼを耕す作業ですが、「耕す」という言葉を使うことは実際にはあまりなく、「起こす」ということが多いです。これは、土を反転させて起こし、空気にさらしてやることが由来のようです。榮農場ではこの土を空気にさらすことで好気性の微生物の働きを活発にさせ、土を豊かにすることがおいしいお米を作る基盤になると考えておりますので、稲が元気に育つ土になるようにがんばっています。
また、ただトラクターで走ればいいというものでもなく、雨が降った後などで水分が多い時に作業してしまうと土をこねくり回してしまう事になり、焼く前の土器のようなもので乾いた時にはカチコチに固まってしまいます。天候と土の状態を考えながらの作業ですが、良い稲が育つようタイミングを見ながらこなしていきたいと思います。
3月3日のひなまつりの食文化といえばちらし寿司、ひなあられ、桜餅などありますが、草餅(よもぎ餅)もよく食されることも多いと思います。よもぎには邪気を祓う力があるとされ、厄払いの意味をこめて古来よりこの日に食べられてきたようです。榮農場でもイベントなどで販売するときに草餅を作っておりますが、最近では着色料で緑色にしただけのお餅も多く、ちゃんとよもぎを使って色と香りを出した草餅は懐かしさもありおいしいとの声をよくいただいています。食の文化を守るという意味でも、昔ながらの味を伝える商品を作っていけたらと思います。