榮米だより VOL.280 18.10.28
2018年11月17日
あれだけ暑かった今年の夏は過ぎて、急に寒くなったように感じるこの頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。榮農場の今年の稲刈りは大型台風とコンバインの故障が多発し非常に苦労した年になりましたが、なんとか10月22日に刈り終えることができました!例年より10日ほど遅れていて、晩生の品種ではお待ちいただいたものもあり、やっと出荷できるようになってほっとしています。
写真は、滋賀県稲作経営者会議の取り組みで近江米のPRのため、大津駅前で新米を無料配布した時のものです。配っている面々はそれぞれが滋賀県内の稲作農家で、秋の忙しい合間を縫って参加しています。日本全国でお米の消費量が減ってきている中で、まずは自分たちが住んでいる地域の皆さんに近江米を食べてもらって、おいしいお米があることを知ってもらうために取り組んでいます。インパクトの強い食材や簡易性・利便性に長けたご飯が多い中で、農家それぞれがどれだけ必死になってこだわりのお米を作っても、それを知ってもらって食べてもらわないと何も始まらないのです。悲しいことですが、お米を洗って炊いて食べるというごく当たり前の習慣を敬遠される方も少なくありません。ですが食品アレルギーや栄養価の面から見ると、お米ほど安全でバランスの取れた食品はそうそうありません。日本という国が今これだけ豊かで、それこそ毎日お米を食べなくても良いほどの飽食な国になったのは、昔からお米を主食とし、そして今日までお米を安定して生産・消費してきたからに他なりません。より多くの人にお米を思い出していただき、その上で滋賀県の近江米を選んでいただきたいと思います。
秋が深まり、冬が近づいてくるにつれ、気温の低下とともに日の入り時間がどんどんと早くなってきましたね。そろそろ暖房やお鍋を準備しているご家庭も少なくないのではないでしょうか。お鍋と言えば、今年も自慢の白菜が大きく育ってきてくれています!写真の白菜は8月末に植え付けたものですが、そのあとの台風や秋雨に負けずに力強く育っています。同じ時期に植え付けたキャベツは根張りの少ない稚苗のタイミングで大型台風の強風をもろに受けて飛ばされ、残った苗は約3割ほどだったのを見ると、白菜は運がよかったなと思っています。農薬を極力使わない栽培方法ですので、この写真ではアオムシの被害が所々に見えますが、この時期にこれだけ大きくなってくれているのであれば、生育に問題はありません。この白菜でお鍋を作って温まるのを楽しみにしているこの頃です。
季節の移り変わりを風景と食べ物で楽しみつつ、自然に感謝しながらこれからも農業を頑張っていきたいと思います。