榮米だより VOL.273.18.3.25
2018年4月2日
日中は暖かく、春の陽気を感じられる季節になってまいりましたが、皆様いかがおすごしでしょうか。榮農場では春ということで稲作の季節が始まり、田植えに向けて準備を始めました。
まずは良い苗を作るための種子の選別から始めています。芽を出してしっかり育ってくれる苗を作るためには、中身の詰まった良い種を選別する必要があるのですが、見た目で判別はできないため、種を塩水に浸け沈んだ重い種のみを使用することで良い種を選びだすという方法です。
この塩水選によって選抜された種がお米を実らせてくれるわけですので、おいしいお米作りには非常に大事な作業の一つです。
塩水選のあと、60度のお湯に浸ける「温湯消毒」という作業を行います。稲も生き物ですので、いもち病、立枯病などの病気になる可能性があり、それらの原因菌を殺菌するために行います。
そして、例年はこの温湯消毒のみで殺菌していたのですが、去年は病気になった苗が比較的多く、そのため今年は新しい対策を講じました。
タフブロックという商品で、農薬指定を受けているため農薬の分類にはなるのですが、成分は薬品ではなく、微生物の力を借りて殺菌するという自然環境や体にやさしいものになっています。温湯消毒とこの微生物の力で病気のない元気な苗に育ってほしく思います。
こうした種子の段階の作業は効果が目に見えず、また1年に1度きりで失敗が許されない農業という性格上、まだまだ今までの実績がある殺菌剤などの農薬を使用する農家さんも多いのですが、榮農場では安心して食べられるお米を目指して新しい方法にもチャレンジしていきたいと思っております。
冬の間雪に耐え忍んでいた麦も背丈が伸び、青々と元気に育ってきました。昔から三寒四温とはよく言ったもので春の陽気と冬に立ち返ったような肌寒さが交互に来るような今日このごろですが、桜の開花宣言も全国的に出されるなど春を実感するようになってきました。
上記の種子の準備作業の他にトラクター作業や田んぼの水の出入口の整備など、田植えまでにやることはたくさんありますが一つずつ着実に、また安全に進めていきたいと思います。